2022.02.10
上下階に伝わる生活音はトラブルのもと。遮音性能はコンクリート・スラブ(床)の厚さに左右されるが遮音等級も確認しておきましょう。
重量衝撃音は床スラブの厚さで緩和
マンションでは、特に上下階の生活音がトラブルの原因になることが多いものです。
上階の床から伝わってくる音には2種類あり、スプーンなどを落とした時出る「コーン」という音を「軽量衝撃音」子供が飛び跳ねたりした時にでる「ドスン」という音を「重量衝撃音」と呼んでいます。
このうちマンションの基本的な構造から問題になるのは重量衝撃音で、鉄筋コンクリートのスラブ(床)の厚さが大きく影響してきます。
強度的には、12㎝程度のスラブ厚でも十分なのですが、厚ければ厚いほど音を伝えにくくなります。
遮音性を配慮した最近のマンションのスラブ厚は18㎝~20㎝主流で、これを超えるものも珍しくありません。
スラブが厚いほど重量衝撃音に強いからといっても、スラブの面積が広くなると効果が薄れます。
このスラブ面積とは、柱や梁、構造壁に囲まれている面積で、各部屋の広さと一致するものではありません。
そこで、重要になるのが、L-50などと示された衝撃音に対する遮音等級。物件選択時には、床の厚さだけでなくこの遮音等級も確認する必要があります。
軽量衝撃音対策とは 遮音フローリングと二重床
スプーンを落としたり、イスを動かしたときに伝わる「軽量衝撃音」は、コンクリートのスラブではなく、その上に張られて仕上げ材や工法によって遮音性能が左右されます。
マンションの床工法は、床仕上げ材をスラブに張る「直張り」スラブと床仕上げ材との間に空間を設ける「二重床」とに大きく分けることができます。
直貼りの場合、厚手のカーペットや畳などのクッション性のあるものを敷くだけで、軽量衝撃音はほとんど階下に伝わらなくなります。
問題になるのは、マンションで多くなったフローリングの床です。
そのため、直張りではフローリング板の裏側に発砲ウレタン樹脂などの衝撃吸収材を施した遮音フローリングを使うのが一般的です。
その遮音等級は”LL”で表示され、スラブ厚が18㎝~20㎝なら、LL-45クラスの遮音性機能があれば合格点と言えます。
一方の二重床は、床仕上げ材とスラブの間に施された防振ゴムで衝撃音を緩和する置床工法が一般的になっています。
直張りの遮音フローリングにありがちなフカフカした歩行感はなく、リフォームもしやすいといったメリットがあります。
ただし、施工技術の善し悪しによって、性能にバラツキがあり遮音効果は直張りの方が優れていると考える専門家もいます。
いずれにしてもメリットの多い二重床の施工技術は改良が加えられ、新築マンションの主流になりつつあるので、物件選択時の重要ポイントになります。
ポイントは
・快適な生活を求めるならスラブ厚は18cm以上
・重量衝撃音に対する遮音等級はL50 以下
・直貼りフリーリングならLL45以上が望ましい
マンションリフォームはアジャストにお任せ下さい。
アジャストの加藤でした。