2017.07.03
住宅の工法とは、家の躯体(骨組み)をつくる方法のことです。工法によって躯体の材料も違えば、躯体を構成し、家の重さを支える仕組みも異なります。それぞれの工法は独自の特徴を持っています。設計やリフォームの自由度などにも違いが見られ、瑕疵保険や耐震診断など各種制度の利用方法も変わります。今回は戸建ての工法についてご説明します。
〇日本の戸建住宅の多くは「木造軸組工法」。気に入った物件がそれ以外の場合は要注意です。
戸建住宅で割合が多いのが「木造軸組工法」です。続いて「2×4工法」で、この2つを合わせるとおよそ80%となります。コンクリート造や鉄骨造はその存在は知られているのですが、戸建ての割合では少数で、全体のわずか2%程度しか存在していません。
一般的な戸建住宅は「木造軸組工法」「2×4工法」と認識されており、各種支援制度の制度設計にあたっても戸建住宅については「木造軸組工法」「2×4工法」を主として考えられることが多いのです。従って、気に入った物件が木造以外の工法の場合は取引の進め方が変わるので注意が必要です。
耐震診断を例に挙げると、「木造軸組工法」「2×4工法」は一般的な耐震診断方法で評価できるのですが、「RC造」「鉄骨造」は診断方法は存在するものの、診断費用が高額なケースが多いです。
また、診断結果が悪い場合の改修方法についても工法で差がでます。「木造軸組工法」は部分的な改修に適した工法なので、比較的安価で改修が可能なのですが、それ以外の工法の場合は、改修方法が存在しても大規模な工事になるため、現実的ではないことが多いです。
〇販売図面ではわからない特殊構造。中古戸建ての取得には建築士のチェックが不可欠です。
木造住宅なのに一部RC造だったり、鉄骨造だったりする物件があります。このような状態を「混構造」といいます。無計画な増改築が原因となっている場合が多いのですが、「混構造」の物件は耐震診断など構造の評価ができないため、かし保険や住宅ローン減税などの制度が利用できません。
中2階のある「スキップフロア」も構造の評価ができない物件となります。これら特殊構造の物件は販売図面で見分けることが難しく、実際に建築士にチェックしてもらわないと気が付かない場合があります。
中古戸建てを検討する際には必ず建築士による建物インスペクションを実施しましょう。不動産売買契約後に構造の問題が発覚しても、そのことを理由に契約を破棄することができないからです。
アジャストでは建築士による耐震診断を無料で実施しております。また、住宅ローン減税やかし保険に関するご相談も承っております。お気軽にご相談ください。
株式会社アジャスト
代表 加藤がお伝えしました。
戸建住宅の各種工法割合
建築工法・構造と耐震改修
特殊な建築工法の例