2018.07.19
戸建て住宅をみてまわると、不動産営業の担当者が「シキエン」と言う言葉を聞いたことありませんか?このシキエンとは何か?そしてシキエンのメリット・デメリットについて解説したいと思います。
■”旗竿(はたざお)”とも呼ばれる土地の形(シキエン)
シキエンというのは、敷地延長の略語です。不動産業界に居る人は、一般的に「シキエン」物件と言います。
そもそも都市計画区域(準都市計画含む)に建物を建築する為には、接道義務という大原則があります。その内容は原則、敷地が建築基準法に定める4m以上の道路幅(一部地域は6m)をもつ道路に2m以上敷地が接していることが必要になります。
建築基準法43条(一部抜粋)についても建築物の敷地は、道路(次に揚げるものを除く。第44条第1項を除き、以下同じ。)に2m以上接しなければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りではないとあります。
建築物を建築する場合、建築基準法に定められた道路に接道することが原則になりますので、見た目は道路で2m以上接道があっても、このルールから外れた場合建築行為ができません。例えば、道路に見えるが実は私有地の一部だったという場合もございます。
今回は公道に面して家があり、その背後に別の家が建っているというケースについて背後の家の出入りは、表の家の横に設けられた通路を利用する――このように、公道から通路を通って奥に入るような状況の土地を敷地延長、略してシキエン(シキエンの物件)といいます。細長い路地に見えるので時々路地状敷地とも言います。
シキエンは、細長い通路の先に四角く広い土地があるのを空から眺めれば旗竿のように見える事より、その形状から旗竿(はたざお)と呼ばれることもあります。このシキエンは、得なのか損なのかは、意見が分かれます。
庭の一部が通路になってしまい、用途が限られる。また、道路に面した家の裏に隠れるようで、印象が良くない。建物同士がギチギチに立つような場合は日当たりが悪いこと等が短所となります。しかし、一方で、長所もあります。
例えば、公道の交通量が多い場合、騒音が届きにくく、静かであるという点です。また、日当たりの問題から印象がわるいため、土地の広さのわりに分譲価格が安くなるという点もあります。通路部分を駐車スペースに活用するという方も多く、都内の狭い土地でも2台の駐車スペースを確保出来るといったメリットがある場合がございます。
不動産の「シキエン」と聞くと、わるい印象を持つ人が多いのですが、欠点ばかりではない事も把握したいところです。しかし、重要なポイントはこれから人口減、家余りの時代に本格突入しますので、その際に「シキエン」物件よりも、公道に面した普通の物件に住む事が選択できる世の中になっていく事が予想できます。
「旗竿地物件の見るべきポイントについても下記サイトでは解説しています。ぜひ、今後の参考にお役立て下さい。
リニュアル仲介 アジャストの加藤でした。
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敷地延長=シキエンです!