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インスペクションに関するボタンの掛け違い その4

2018.12.22

インスペクションに関する勘違いシリーズです。
今回は「将来に渡って保証するものではない」という点についてご説明いたします。

改正宅建業法で定義されたインスペクションは「建物状況調査」と言います。
これは、建物の現在の状況を取り扱うものになります。
※報告書にも「将来に渡って保証するものではない」と記載されます。

例えば、建築士によるインスペクションを実施したとして、引き渡しから6か月後に雨漏れが発生したとします。(個人間売買とします)
買主の立場では、住宅を購入してからたった半年で雨漏れが発生したわけですから、売主や調査を行った建築士に文句も言いたくなります。

ただ、この場合の雨漏れは売主にも調査を行った建築士にも責任を求めることができません。
一般的な個人間売買の不動産売買契約では、瑕疵の期間を3か月程度とすることが多いですし、
調査時点で雨漏れがなかったのであれば、調査を行った建築士が判断できるものでもありません。

建物の各部位には目安となる耐用年数がありますが、長いものでも10年~15年で何らかの修繕が必要とされるので、
築10年~築15年くらいの戸建て住宅をリフォームなしで購入するということは、いつ問題が起きてもおかしくないことを容認するのと同じ意味になります。

瑕疵保険の勘違いは後日改めてご説明いたしますが、雨漏れの原因が単純な劣化によるものと判定された場合は、瑕疵保険に加入していても、保険の免責事項に抵触するので、保険がおりない場合が考えられます。

こうして書くと、一般に「中古住宅は後から補修箇所が次々と出るので、新築の方が得」と言われるのもよくわかります。

ただ、この新築の方が得は適切ではありません。
少なくとも建物の状態によりけり、という条件が付きます。

第3者に保証を求めようとすると、中古住宅の場合はかなり無理があります。
ただ、保証の有無と、実際に不具合が発生するかどうかは別の問題です。
(そもそも新築でも得られる保証期間はたったの10年です。)
過剰に保険・保証に依存するよりは、本質的な家の長持ちに目を向けると、「新築の方が得」とは一概に言えないはずです。

話を戻します。
建築士による調査はあくまで現在時点の評価です。
新築時からの経過年数と現時点での状況、一般的に言われる耐用年数を考慮して、今後のメンテナンス計画を立てるのが安心して暮らすためのポイントです。
ざっくり表現すると、家が長持ちするかどうかは、水の浸入をいかに防ぐかがテーマとなります。
定期的に屋根・外壁を塗り替えるだけで、戸建て住宅は長持ちするのです。(もちろんシロアリという問題もあります)

ひと昔前、「おかかえの大工さん」という概念がありました。
雨漏れが発生したからと言って直ちに家が倒壊するわけではありません。
早い段階で気が付いて対処すれば問題ないことが多いです。
家を長持ちさせるコツは「おかかえの大工さん」を確保することです。
今風に言い換えると、定期的に家をインスペクションしてくれる建築士を見つけておくことです。
インスペクションは無償ではありませんので、このシリーズでも記載した「修繕積立」を行っておくことが具体策となります。

ノーメンテナンスで何十年も無事でいられるほど、日本の気候風土は甘くありません。
これから家を買う方は「メンテナンス」の概念を忘れないようにしていただきたいと思います。

アジャストの加藤でした。
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