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2018.07.02
すでに終わっている街を選んではいけません!
人口減をテーマとする記事が増えています。
今回ご紹介するのは国が掲げる「地域包括ケアシステム」が成り立たなくなる、というものです。

人口減少で見直し迫られる「公」の定義
http://senkensoi.net/column/2018/05/221752

地域包括ケアシステムの詳細は下記のページがわかりやすいです。

地域包括ケアシステムとは?
https://www.minnanokaigo.com/guide/homecare/area-comprehensive-care-system/

当たり前の話ですが、公的サービスは税金によって賄われます。
人が減るということは、税収が減るということで、今のような行政サービスは維持できなくなります。

人口減少は日本全国でまんべんなく発生するものではありません。
地方の過疎化はより一層深刻となり、税金を納める若い世代は快適な生活を求めて都市部に居住します。
人が減る街と増える街が2極分化するのです。

お年寄りの方には大変申し訳ないのですが、若い世代を社会的意義を理由に田舎へ引っ張るのは反対です。
街が存続するかどうかの議論はとうの昔に終わっていて、これからは結果が顕在化するだけです。
先人の負の遺産に若い世代を巻き込むのは少し違うんじゃないかと思います。

よく東京一極集中だと批判する地方の人がいますがこれも間違いです。街を持続させる責任を誰も負わないから若い世代が便利な街に移っただけです。

はじめに紹介した記事に「自助」「公助」「共助」の話がありますが、若い世代に「共助」を押し付けていませんか?
確かに力仕事は若い世代がやった方が効率が良いかもしれませんが、それは「共助」ではないですよね。
お年寄りにはお年寄りなりの「公助」があるわけで、互いに助け合う世の中を作れなければ、若い世代が都会を求めるのも無理はありませんよね。

今までの常識が実は非常に不公平な事例があります。電気・ガス・水道などの公共料金です。
自治体別にコストが違うものもありますが、メンテナンス効率で世帯ごとに設定費用が違うということはありません。
500世帯のマンションへのメンテナンス費用と、山の向こうの10世帯しかない集落へのメンテナンス費用を比べたら、どちらが効率が良いか一目瞭然です。
いずれライフラインのメンテナンスコストも社会問題化するので、世帯別の単価設定か、全体の値上げかのどちらかしかありません。
不利益を被る側に同情的なニュースが増えると思いますが(得てしてそういった声の方が大きく、また絵になりやすい)、
そんなことを言っている場合じゃない!住む場所を集約しないと社会が成り立たないんだ!と断言できる人がどれくらいいるのでしょうか。

※余談ですが、高度成長期に作られた社会インフラの更新時期が間もなくやってきます。コンクリートだからと言って無限に使えるわけではありません。

※これまた余談ですが、あまり問題視されていませんが(紹介した記事でも触れられていません)社会インフラ問題については、行政側が先手を打っています。
「立地適正化計画」です。杞憂に終わればいいのですが、知らないととんでもないことになる重要な制度です。(別の記事で紹介します)

立地適正化計画
http://www.mlit.go.jp/en/toshi/city_plan/compactcity_network.html


人が減ると、電車もバスも止まります。タクシーなんて便利なサービスは都会のものです。
経営が成り立たなくなったらスーパーもコンビニも撤退します。病院すらなくなります。
自治体が破綻したらゴミの収集すらままなりません。そんなところをもはや「街」と呼べるのでしょうか?

自治体が破綻した夕張市のレポート
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52287

もう一度言います。先人の負の遺産を若い世代に押し付けるのは間違いです。
現時点で終わりが見えている街は、この先どう終わらせるかがテーマであって、未来ある若者を巻き込んではいけません。
また、若い世代は、お年寄り勢のノイズに惑わされてはいけません。

人口減の話は2045年時点でこうなる、という話になるので、少し先のテーマに聞こえます。
でもそれは違います。確実にこれからの日本を蝕む大問題で、対策は早いに越したことはありません。
今から家を買う人は、家を資産化したいタイミングの話なので、なおさら無視できません。

私は不動産業界に身を置くものですので、住宅産業で見てみます。
家は一生で一度の買い物ってよく言われます。
確かに高額のローンを組んだ挙句、20年~25年で価値が半分になる買い物を、何度もできる人は多くありません。
でも一生で一回の買い物だと事業者側が認めることは、この先住宅業界が劇的に縮小していくのを指を咥えて待っている、ということと同義です。
仮に今、全国的なベビーブームが起きて人口が爆発的に増えても、家を買う世代になるのは30年以上先の話だからです。
買った値段と同等で売ることができるなら、家を何回でも住み替えることができます。
アジャストでは、家に対する価値観を変えたいという想いから、中古住宅でも安心して購入できる仕組みを作りました。

住宅にお金を払わなければならない、家賃とか住居費といった概念が通用するのも、人が集まる街に限られます。
住むところは用意するから、お願いだから我が街に住んでほしい、我が街に税収を落としてほしい、我が街を活性化させる活力になってほしい、そうやって頭を下げないと近い将来消えてしまう街の方が多いんじゃないでしょうか。
地域包括ケアシステムでお年寄りが安心して暮らせる社会は結構なことです。
でも、それを支える肝心要の若者の存在を軽視し過ぎてませんか。
現時点で若者が楽しくてハッピーになれる、集まりたくなる政策を実行していない自治体はすでに「終わっている」のかもしれません。

これから家を買う人に知っていただきたいのは、家の買い方と街選びが本当に大切だと言うことです。
今のところ住宅にかかるコストはその人の人生を一変させるくらいのインパクトがあります。
家の買い方と街選びがその後の人生を決めてしまうと言っても過言ではありません。
国を挙げての大改革の時に、最も信用ならないのが「これまでの常識」です。
周りのノイズに惑わされないよう、冷静な判断が必要だと思います。

リニュアル仲介 アジャストの加藤でした。
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家を買う人に知っていただきたいのは、家の買い方と街選びが本当に大切だと言うことです。

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